代表メッセージ

2017年 年始挨拶

2017年01月01日

平素は弊社へ多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございます。

昨年は英国のEU離脱や米国大統領選挙など世界情勢はますます混迷を極めており、その中で我が日本国も大きな試練を迎えつつあると感じております。第二次世界大戦後より長らく世界を牽引してきた資本主義経済が大きく揺らぎ、世界各地で新たな価値観が勃興しつつあることを印象付けられた一年でした。

日本農業においても、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の行方が見えなくなっている中、これまで以上に先行き不透明感が強くなっていることを感じます。平成30年には「生産調整の廃止」というビッグインパクトが想定されており、既存農業者には停滞感や諦念が色濃くなってきつつあると懸念しております。また、就農者人口が200万人を切り平均年齢も70歳に近くなっている今、農業のイノベーションが求められる時であるとも考えています。

このような情勢の中、本年を迎えるにあたり、我々舞台ファームグループにおいては、現在積極的に取り組んでいる「アグリソリューション」事業、つまりCSV(共有価値創造)的に様々な社会課題に果敢に立ち向かっていく取組ですが、これを今まで以上に加速させていきたいと心新たに決意しております。

まず、次世代のアグリリーダー=グリーンカラー人材(農業経営者)の育成にさらに力を注いでいきます。昨年は宮城県美里町と連携し、「集落営農組織の法人経営加速化支援(実践型)事業」として、地元の集落営農組織の法人化の取組に携わらせていただきました。地元の皆様と何度も協議を重ねていく中でお互いに新たな発見をすることができました。遠く関西など他の自治体からも同様の取組について複数のお声がかかっており、今後とも日本農業の一助となるべく微力ながら努力して参りたいと思います。

次に、「アグリテック」への積極的な挑戦を行っていきます。日本農業における大きな課題の一つとして「生産コストの削減」があります。世界的に見れば、UBERをはじめとしたシェアリングエコノミーが台頭しており、ICT等を活用したコスト削減の取組は農業界においても喫緊の課題と言えます。舞台ファームにおいても、ドローンやチャットボット、AI技術、シェアリングシステムを始め、様々な「アグリテック」に引き続き積極的に取り組んでいきたいと思います。例えば、我々のグループ企業である有限会社六郷アズーリファームにおいては、1月よりドローンスクールの開講などを企画・準備しております。

最後に、品質管理への取り組みを引き続きしっかりと行ってまいります。2020年の東京五輪を控え、JGAPを始めとした農作物の品質管理が改めてクローズアップされております。舞台ファームグループは、世界でも最も品質に厳しいと言われる大手コンビニともベンダー契約を結んでおり、日本でも有数の品質管理技術を誇っております。今後とも慢心することなく、日々改善・日々成長を心掛けPDCAサイクルによる品質管理の徹底を進めていく所存であります。ジャパンクオリティとしての品質管理技術をフックとして、海外への輸出も目指していければと思っております。

平成30年に迎える生産調整の廃止は非常に大きなインパクトであります。アイリスオーヤマ株式会社の大山健太郎社長の座右の銘に「ピンチはチャンス」という言葉がありますが、日本農業は大きな視点で見れば様々なチャンスがあるブルーオーシャンとも言えると思います。この日本農業の危機的状況を農業者にとってチャンスと変えられるよう努力し日本各地の農業者との連携を加速させ、最終的には農地1万ヘクタールの広域型ネットワークを目指していきたいと考えております。

平成29年を迎えるにあたり、舞台ファームは「アグリベンチャー企業」として改めてチャレンジ精神にあふれた農業業界のファーストペンギンとなるべく気持ちを新たに様々な事例に取り組んでいく所存でありますゆえ、引き続きご支援とご指導を賜れればと存じます。何卒宜しくお願い申し上げます。

株式会社舞台ファーム
代表取締役社長 針生 信夫
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