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第24期(2026年度)新年度のご挨拶
平素より多大なるご高配を賜り心より御礼申し上げます。
7月からの新年度の始まりにあたり、今後、舞台ファームが取り組む方向性について述べさせていただきます。
ご承知のとおり、イラン危機をはじめ世界情勢は依然として不安定な情勢となっており、グローバル経済全体に大きな影響を及ぼしています。また、生成AIとそれを活用したロボティクスの急速な進化も伴い、経営を取り巻く環境は、これまで以上に大きく、そして急速に変化していると言えるでしょう。
私は、このような状況を鑑みますと「世界は安定したかつての時代に戻らないのではないか」と考えています。さらに、元に戻ることを期待するのではなく、自らこの変化を受け入れ、経営の舵を取り続けなければならない、と強く感じます。
6月末日までの前期(第23期)におきまして、舞台ファームは過去最高の売上・利益を達成することができました。これは、長年にわたり当社を後押ししご支援いただく皆さまのお力添え、並びに、日々現場を支え、改善を積み重ねてくれている社員一人ひとりの努力の賜物と考えています。
この場をお借りいたしまして、関係する全ての皆さまへ、心より感謝申し上げます。
誠にありがとうございます。
私たちが目指しているのは、単なる「農業会社」にとどまることではありません。食を起点に社会を支える「食料供給企業」へと、自らを進化させていくことです。
その経営の根幹に据えているのが、「新しい事業領域の探索」と「既存事業の深化」を両輪で回す、いわゆる両利きの経営です。そして、その先に掲げているのが「食卓イノベーション」という考え方です。
これまでにない技術やサプライチェーンを活用することにより、米や野菜だけでない様々な食材や食品をご提供することで、人々の食卓をより豊かに、より持続可能なものへと変えていく。それが、私たちの大義「食卓イノベーション」であります。
私たちは今期、主要3事業である「カット野菜事業」「米事業」「植物工場事業」を中核に据えながら、さらにその周辺領域へと、当社の事業を大きく拡大していきます。
以下、順にお伝えしていきたいと存じます。
日本の農業は、担い手の減少、高齢化、生産コストの上昇、気候変動による収量の不安定化など、多くの構造的な課題を抱えています。
これらの農業課題に対し、私たち舞台ファームは、様々な方策を活用し課題解決を目指す「アグリ・ソリューション」に積極的に取り組んできました。
また自社に留まらず、当社にご賛同いただく実需者の皆さまと深く連携させていただき、持続可能な食料供給の仕組みを共につくり上げていくことが大切と考えています。
また、昨年は「令和の米騒動」という言葉が紙面やテレビに大きく報道されました。様々な要因が絡んで米価の高騰並びに急落を招いているわけですが、多くの消費者の皆さまはもとより、流通・販売を担う実需者の皆さまにおかれましても、安定的かつ持続可能な形で食料を確保していくことの重要性を、これまで以上に強く感じておられるのではないでしょうか。
当社のアグリソリューション(農業課題解決)をベースとして、実需者と生産現場を強くつなぎ、さらにそこに、新しい栽培技術やAI、ロボット化や自動化技術を導入しながら、確固たる持続可能なサプライチェーンを構築していく。
単なる商品の取引ではない「農業や地域課題を解決する取り組み」こそが、これからの時代に求められる、食と農の「業務提携」のあり方であると考えております。
今後とも、多くの皆さまと深く連携しながら、現場に根ざした取り組みを着実に進めていきます。
2025年に農林水産省より発表された「農林業センサス」でも明らかになりましたように、農業の担い手不足、並びに高齢化の課題は、さらに深刻さを増してきています。これから一体、誰が日本の食料生産を担っていくのか。これは一地域だけの問題ではなく、日本全国で同時に起きている大きな課題です。
だからこそ私たちは、全国の自治体並びに地域農業者と深く連携し、地域独自の課題を解決しながら、「農地の集約・集積化」を進めていきたいと考えています。
具体的には、まずは当社がすでに連携している自治体を中心に、現状や課題を把握したうえで、農地の集約・集積や地元農業者との役割分担などを整理し、それぞれのエリアにとって最適な解決策を提案していきたいと考えています。
当社は「実践型農業コンサルティング」として、10年以上の長きに渡り、全国の地方自治体と連携し、地域農業課題の解決に尽力してきました。
私たちのコンサルティングは、成功事例を貼り替えただけの「焼き回し」ではありません。地域に入り、現場で地域の農業者と共に課題を伺い、解決策を提案し、当社自身もリスクを取りながら、結果を出す責任を持って「実践的に」組み立てていく。そこに、舞台ファームの「実践型コンサルティング」の本質があります。
地域の農業をどのように次の世代へつないでいくか。本構想を通じ、自治体、農業者の皆さまと「新しい農業のカタチ」を共に創っていきます。
当社は2026年3月、宮城県美里町において、日本最大級となる営農型ソーラーシェアリング設備(約3.9ha)を稼働いたしました。これは、農業とエネルギーを融合させる「農エネ業」という、新たな事業形態への挑戦です。
この取り組みは、日本経済新聞やテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」をはじめ、全国で大きく報じられ、新しい農業モデルとして、非常に注目されました。
2030年に向けて、大企業を中心にRE100やGHGプロトコルへの対応が求められ、そのサプライチェーン全体においても、環境対応への要請はますます高まっております。
また、AIの発達やデータセンターの拡大に伴い、日本においてもさらに多くの電力需要が想定されていますが、同様に農業の現場においても、ロボット化や様々な自動化が今後さらに進めば、現場で必要となる電力も急激に増えていくことは間違いありません。
私たちは、「農エネ業」を推進することで、農地で人の食料を作っていくと同時に、AIや機械にとっては言わば食料とも言える「エネルギー」も生産していきます。
「人づくりこそ、企業成長の礎」。
どれほど優れた構想も、どれほど優れた技術も、それを担うのは「人」であると考えます。
本年4月には、宮城県美里町に一人ひとりの個室を設けた社員寮を建設し、主に海外出身のスタッフが安心して働ける環境を整えました。また、インドにおける日本語学校の整備も進めており、日本で働く前の段階から言葉や文化、農業技術を学び、来日後にすぐに現場で力を発揮できる人材育成の仕組みを構築します。
また、私は、これからの10年で稲作のおよそ7〜8割は自動化すると考えています。
舞台ファームは、「100億円企業」としての登録をいただき、経済産業省からは「東北DX大賞」最優秀賞や「はばたく中小企業・小規模事業者300」のDX賞など、AI活用を農業に活かし、当社の生産性向上の取り組みに対し、高い評価をいただいています。
時代が変われば、農業に求められる人材像も、必要とされるスキルも変わります。これからの農業は、経験や勘だけではなく、データ、機械、ロボット、エネルギー、経営を理解し、現場で活用できる力が求められます。私たちは、採用だけでなく、既存社員の育成・再教育にも力を入れてまいります。
私の座右の銘は、「蒔かぬ種は生えぬ」です。
種を蒔かなければ、何も生まれず、何も変わりません。挑戦なくして、変化やイノベーションは起こらない。その信念のもと、私たちはこれまで一つひとつ挑戦を重ねてまいりました。
本年度は、これらの取り組みを構想にとどめることなく、より多くの現場へ実装していく一年とします。
「未来の美味しいを『共に』創る。」
この理念を、お取引先の皆様、生産者の皆様、地域の皆様、そして社員と共有しながら、日本の食と農の未来を切り拓いてまいります。
本年も引き続きご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社舞台ファーム
代表取締役社長 針生 信夫