代表メッセージ

2020年 新年度挨拶

2020年07月01日

平素よりご厚情を賜り心より御礼申し上げます。

7月1日より弊社の新年度となりますゆえ、下記の通り、新年度への抱負を述べさせていただきます。

皆様もご承知の通り、新型コロナウイルスにより2月ごろから影響が徐々に深刻となり、世界経済を取り巻く環境が一変致しました。このような全地球的な事態が起きるとは、本当に私自身も驚いております。経済の源となる「人・物・金の全て」が悪影響を受け致命的な状況となっている稀有な事例であると言えるでしょう。まさしく経済におけるディープインパクトとも言える衝撃であります。白亜紀末に隕石衝突(ディープインパクト)が起き、隕石衝突による直接的影響や、急激に気象状況が変化しかつ長い年月に影響が及ぶなどの結果、地球上で栄華を誇っていた強く大きな恐竜たちは絶滅してしまいました。そして、環境に変化対応できた我々の祖先=哺乳類が生き残りました。今日の新型コロナウイルスによる大きく急激な経済的変動、社会的な変化においても、白亜紀の隕石衝突と同様に、環境への変化対応力やそのスピード感が求められるということに他なりません。

また、新型コロナウイルス発生以前から言われていた「少子高齢化」による悪影響は、新型コロナ後ますます加速している気がします。弊社では「果敢に挑戦して“新プロオーシャン”を目指す!」を2020年のスローガンとしていましたが、このコロナ環境下において、全社員あげて柔軟に変化対応する必要性を謳ったこのスローガンは、コロナ時代においても大切な内容であると改めて認識しています。今後想像を絶することが何度も起こりうると思いますが、「想定外」と言い訳することなく、粛々と現場を分析し、変化対応していくことを継続し続けていきます。

激動する世界の中で、弊社と関係する全てのステークホルダーの皆様に対し、物心両面の貢献を今後も続けていくためにも、以下の4点について、我々は不撓不屈の精神で進めていきます。

アグリシリコンバレー構想

去る6月19日、宮城県美里町と立地協定を締結いたしました。本件につきまして地元紙やN H Kにも取り上げていただきまして、地元の皆様をはじめ激励のお言葉を頂戴するなど大きな反響をいただいています。この場を借りて御礼申し上げます。本件大型自動栽培プラントは総工費約34億円という身の丈以上の投資でありますが、お取引先や金融機関の皆様とも以前より議論を重ねて着工を決定した案件であり、この新型コロナウイルスの逆境下ではありますが、ピンチにチャンスありということで大きくアクセルを踏み込んで参りたいと思います。

各種農産物の生育スピードは大きく変わらない中で、実際に農場で勤める従業員の労働時間は、働き方改革の流れでどんどん減少しています。将来的には週休3日まで視野に入った時代になり、そうなると農業はこの流れに順応しにくい分野であります。したがって、各種テクノロジーを活用し驚異的な生産性向上を果たしていかねばなりません。それがこの施設となります。

これまでは農産物から手数料をいただいて連携するケースの多かった農業者と実需者の連携ですが、この施設ではその概念も変えていこうと思っております。地域の農業会社が黒字化できるよう、労働力による地域連携を加速化させていくことを考えています。

グリーンゲート構想

物流が課題となって久しいですが、農業においても運賃込みで提案しなければならない時代が来たように思います。将来的にはドライバー不足の問題もあり自動化が加速化していきます。弊社は先を見据え、5月20日より一般貨物自動車の運行資格を取得しました。早速ではありますが、野菜原料を供給する産地への物流改革に着手しています。既にレンタカー事業も展開し車両を一定台数保有している我々は、将来的には一般家庭への配送(ラストワンマイル)への参入も検討しています。

福島沿岸部支援活動

昨年、福島県双葉町と「農業に関する包括連携協定」を締結いたしましたが、今年度も双葉町と協議し新しい取り組みを実施していきます。1年かけて双葉町の農業者の皆様と協議を行い、新しい切り口を提案していきたいと思っています。

合わせて昨年11月1日から福島舞台ファーム株式会社(代表取締役 志子田勇司)が稼働しておりますが、浪江町の南棚塩地区をはじめ新たな圃場も加わり、連携農地含む約32haを無事に田植えしました。私自身も圃場を確認し、約10年間荒地となっていた農地に稲の苗がなびく姿にとても感動しました。ここまで復旧させた社員を心から誇りに思う瞬間でした。

今後とも、福島沿岸部における営農再開の活動を続けていきます。

ブランディング戦略

アフターコロナにおいて、「ニューノーマル」の時代となってきます。過去とは全く異なる、新しい価値観や消費者動向が続いていくことを考慮していかなければなりません。弊社においては、国内外を問わず、またE Cサイトを始めとして消費者に直接お届けするような新しい販売チャネルへの挑戦を検討しています。弊社は「赤ちゃんが食べても安心・安全な野菜・お米を提供する」ことを、創業より社是として掲げておりますが、私たちのモットーをしっかりとお伝えするため新しいブランドイメージを作り、消費者の皆様にお伝えしていきたいと考えています。

旧来の価値観から大きく変わっていくニューノーマルの状況の中で、私たちは農業の枠を超え次世代にマッチした日本の食を追求していきたいと強く考えています。まさしく、「簡単・便利・美味しい」を実現する新商品・新サービスを次々と開発し、多くの消費者の皆様にご支持いただけるよう全力で努めて参る所存であります。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

2020年7月1日
株式会社舞台ファーム
代表取締役社長 針生 信夫
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